9月30日|9月も今日で終わります。

【今日のニュースから考える|2026年9月30日】

9月も今日で終わります。

今月は毎日のニュースを見ながら、世界の出来事と地域の未来をつなげて考えてきました。

振り返ってみると、9月はかなり大きな変化が同時に進んだ1か月だったように思います。

原油価格が上がった。

金利が上がった。

AIへの投資がさらに膨らんだ。

自然災害が続いた。

観光政策では高付加価値化や持続可能性がさらに重視された。

地域人材やガイドの育成も、政策の中心に近づいてきた。

一つ一つは別々のニュースです。

でも、1か月分を並べると、共通する方向が見えてきます。

それは、

「安さ・速さ・量」だけではなく、

「持続できるか」
「地域に何が残るか」
「人を育てられるか」

が社会の重要な評価軸になってきている、ということです。


■ 9月に一番強く感じたのは「前提が変わった」ということ

長く続いた低金利。

安いエネルギー。

安定した物流。

人口増加。

大量消費。

こうした前提でつくられた社会が、少しずつ変わっています。

日本銀行は9月に政策金利を1.25%まで引き上げ、31年ぶりの高い水準となりました。

世界でも国債金利が大きく上昇し、企業も政府も「お金をどう使うか」をこれまで以上に問われる環境になっています。

つまり、

「予算があるからやる」
「補助金があるからつくる」

ではなく、

「その投資によって何が残るのか」

という視点が、より重要になります。

これは地域づくりでも同じだと思います。


■ AIが進むほど、「場所」の価値が上がっている

今月はAI関連のニュースも非常に多くありました。

AI企業への投資。

半導体。

データセンター。

電力。

水。

土地。

AIというとデジタルの世界を想像しますが、実際には巨大な物理インフラが必要です。

そしてAI投資は、現在の世界経済を支える大きな要因にもなっています。OECDも、AI投資が中東情勢によるエネルギーショックの一部を相殺していると分析しています。

ここで面白いのは、

デジタル化が進めば進むほど、

電力。

水。

土地。

自然環境。

災害リスク。

という「場所の条件」が重要になっていることです。

AI時代だから地域の価値がなくなるのではなく、

AI時代だからこそ、地域固有の条件が価値になる。

そんな逆転が起き始めています。


■ 観光は「人数」から「地域経営」へ

9月は、観光政策の方向性もかなり明確になりました。

観光庁は、持続可能な観光地域づくりのためのJSTS-Dを使い、

地域マネジメント。

社会経済。

文化。

環境。

という4つの視点から、地域をデータで評価する仕組みを進めています。

さらに宿泊業でも、

高付加価値化。

経営改善。

人材。

IT活用。

といった視点が重視されています。

つまり観光は、

「何人来たか」

から、

「地域にどんな価値が残ったか」

へ。

売上だけではなく、

文化が残ったか。

自然が守られたか。

仕事が生まれたか。

人が育ったか。

次に来る理由が生まれたか。

そこまで含めて考える時代になっています。


■ 災害から見えたのは「地域の回復力」

9月は台風や豪雨など、自然災害について考える機会も多くありました。

災害が起きると、

道路。

鉄道。

電力。

観光。

農業。

地域商店。

すべてがつながっていることが見えてきます。

そして大切なのは、

「壊れない地域」をつくることだけではありません。

壊れた時に、

誰が動けるのか。

誰とつながっているのか。

地域のことを誰が知っているのか。

外から誰が応援してくれるのか。

つまり、

地域のレジリエンスとは、

インフラだけではなく、

人。

知識。

関係性。

なのだと思います。


■ 人材そのものが地域資産になる

9月を通じてもう一つ強く感じたのは、

「人材育成」の重要性です。

ローカルガイド。

自然体験指導者。

地域プロデューサー。

インタープリター。

観光人材。

これまで地域では、

詳しい人。

経験がある人。

長年やっている人。

という形で評価されることが多かった。

でもこれからは、

能力を可視化する。

標準化する。

研修する。

認証する。

仕事として成立させる。

という仕組みが必要になります。

地域の知識を持つ人が、

「地域の宝」

で終わらず、

「地域の産業人材」

になる。

これが今後の大きなテーマだと思います。


そして9月最後に見えてきたのが、

「地域発の産業創造」

という考え方です。

地域には課題があります。

人口減少。

高齢化。

交通。

自然管理。

文化継承。

教育。

観光。

農林業。

人手不足。

でも、

それらは弱点であると同時に、

未来の社会が直面する課題でもあります。

地域で解決策をつくる。

実証する。

仕組みにする。

標準化する。

他地域へ展開する。

そう考えると、

地域は「支援される場所」ではなく、

「新しい社会をつくる場所」になります。


9月を振り返ると、

高付加価値観光。

サスティナブルツーリズム。

自然体験教育。

関係人口。

ローカルガイド。

NbS。

生成AI。

認証制度。

地域発の産業創造。

いろいろな言葉が出てきました。

でも私は、すべて一つの方向につながっているように感じます。

それは、

「地域にすでにあるものを、未来の価値へ変換する」

という方向です。

森林を価値にする。

水を価値にする。

文化を価値にする。

体験を教育にする。

地域の知識を仕事にする。

観光客を関係人口にする。

課題を事業にする。

そして、

現場の実践を全国へ展開できる仕組みにする。


【9月最後の問い】

「10月以降、何を増やすかではなく、何を“仕組みにするか”を考えられるだろうか?」

イベントを増やす。

観光客を増やす。

商品を増やす。

だけではなく、

人が育つ仕組み。

文化が残る仕組み。

自然が守られる仕組み。

地域にお金が残る仕組み。

知識が次の世代へ渡る仕組み。

そして、

地域で生まれた実践が全国へ広がる仕組み。

9月のニュースを振り返ると、

社会は少しずつ、

その方向へ進み始めています。

10月は、

「何をやるか」より、

「何を残る仕組みにできるか」

という視点で、

社会を見ていきたいと思います。


宮入正陽
株式会社 東京山側DMC 代表取締役

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