9月24日|5日間のシルバーウィークが終わりました。

【今日のニュースから考える|2026年9月24日】

5日間のシルバーウィークが終わりました。

今日から仕事。今日から学校。

いつもの日常に戻る人も多いと思います。

でも今日は、「連休が終わった」で終わらせず、

この5日間に人がどう動いたのかを、少し社会の変化として見てみたいと思います。


■ 今年のシルバーウィーク、旅行予定は前年比7.6%増

今年は11年ぶりの5連休。

ある調査では、「旅行」を予定していた人の割合は前年より7.6%増え、コロナ禍以降では最大の増加幅となりました。

特に興味深いのが、増加分の約98%を10代・20代が占めていたこと。
10代は前年比25%増。
20代も11%増。

若い世代が、再び「移動する」「知らない場所へ行く」という行動を強めています。

デジタルネイティブだから、オンラインだけで満足する。とは限らない。
むしろ、

情報が無限に手に入る時代だからこそ、
実際に行く。見る。触る。食べる。人に会う。
という「身体を伴う体験」の価値が上がっているのかもしれません。


■ 行き先より、「そこで何をするか」

JTBのシルバーウィーク予約動向でも、興味深い傾向が出ています。

旅行者が重視していたのは、「その場所でしかできない体験」。
海外旅行でも、歴史。芸術。食。自然。街歩き。といった、目的地固有の体験が支持されています。

これは国内旅行にも、そのまま当てはまると思います。

有名な場所へ行く。
写真を撮る。
お土産を買って帰る。
という旅から、

なぜ、この地形なのか。
なぜ、この文化が生まれたのか。
なぜ、この料理を食べるのか。
ここで暮らす人は、
何を大切にしているのか。
そこまで知る旅へ。

「どこへ行ったか」
より、

「そこで何を感じたか」。

観光の価値基準が、少しずつ変わっているように見えます。


■ そして国も「一回来てもらう観光」から先へ進み始めている

観光庁は9月15日、「第2のふるさとづくりプロジェクト」の新たなモデル事業を公表しました。
目指しているのは、観光客として一回来てもらって終わりではありません。

地域の人と交流する。
地域の課題を知る。
地域運営にも関わる。

そして、
また訪れる。
つまり、

観光客
↓
リピーター
↓
関係人口
↓
地域の仲間

へ変えていく仕組みです。
しかも今回は、個人だけでなく、
企業と地域が継続的につながる

「企業の関係人口化」

まで実証対象になっています。
これは非常に大きな変化です。

観光のゴールが、

「来訪者数」ではなく、

「地域との関係」
になり始めています。


■ ガイドも「案内する人」から、地域価値を生む仕事へ

もう一つ、追い風になっている動きがあります。
観光庁は、地域の歴史・文化・自然・暮らしを伝えるローカルガイドの質が、観光コンテンツそのものの価値を左右すると明確に位置づけています。

良いガイドがいると、同じ森でも。同じ川でも。同じ神社でも。同じ町並みでも。見える世界が変わります。

「あそこに山があります」

ではなく、
なぜ、この山になったのか。
なぜ、人はここで暮らしたのか。どんな生きものがいるのか。
その自然が文化や産業にどうつながったのか。

そこまで伝えられれば、
ただの移動が、

「体験」に変わる。

観光庁も現在、

ガイド育成と観光コンテンツを一体的に高め、地域消費や旅行者満足度につなげるモデルを進めています。

人材育成そのものが、観光政策になり始めています。


■ さらに「旅行」と「教育」の距離も近くなっている

9月17日には、観光庁が「教育的付加価値の高い旅行プログラム」
15件を新たに採択しました。

ここにも、大きな変化を感じます。

旅は、
遊び。

教育は、
学校。

という分け方ではなく、旅そのものを学びにする。

自然を見る。
文化を見る。
地域の産業を見る。
異なる価値観に出会う。
問いを持つ。

そう考えると、
旅行と教育は、かなり近いところにあります。

これからは、

観光。
自然体験。
探究学習。
企業研修。
地域交流。

それぞれが別々の産業ではなく、

「地域をフィールドにした学び」

としてつながっていく可能性があります。


今日のニュースを並べてみます。

若者の旅行需要が増えている。
体験価値が求められている。
関係人口政策が進んでいる。
ローカルガイド育成が進んでいる。

教育旅行の高付加価値化が進んでいる。

これらは、別々のニュースではありません。

一本につなげると、
「移動する」
↓
「体験する」
↓
「学ぶ」
↓
「地域の人と出会う」
↓
「もう一度来る」
↓
「地域に関わる」

という流れになります。

そして私は、これからの観光で最も重要なのは、
最後の

「地域に何が残ったのか」だと思っています。

宿泊費が残った。
飲食費が残った。
ガイドの仕事が生まれた。
子どもが地域を知った。
文化が継承された。
自然を守るお金が生まれた。
地域のファンが増えた。

そこまでつながれば、

旅行は消費ではなく、「地域への投資」になります。


【今日の問い】

シルバーウィークで、日本中を何百万人もの人が移動しました。

では、「その移動によって、地域に何が残ったのだろう?」

来訪者数。

売上。
SNSの投稿数。
だけではなく、

新しい関係。
新しい学び。
地域への理解。
地域の誇り。
次に来る理由。

そうしたものまで残せる地域が、

これから選ばれていくのではないでしょうか。

シルバーウィークが終わった今日だからこそ、

「何人来たか」ではなく、

「何を残せたか」
を考えてみたいと思います。


宮入正陽
株式会社 東京山側DMC 代表取締役

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